麻ブレードを使用したティアドロップ(頭頂部が涙のようなかたち）ハット。

春夏のハットといえば天然草(ストロー)が主流かと思いますが、シゾールやブンタールなど、高級帽子ブランドではポピュラーな素材である麻。

通気性や放湿性などの機能性は同等ながら、どこか品のある雰囲気で個人的に好きなんですよね。

あんまり人と被らなかったりしますし、特に麻ブレードは結構珍しい方かと。

しかもこちらの麻ブレード、「逆目(裏縫い)」という普通の帽子工場では作れない特殊な縫い方で作られています。表側にステッチが見えないので、通常のブレードハットと比べてより上質、かつ洗練された仕上がりに。

正直こんなブレードは見たことありませんでした。本当に美しい。

熟練の職人さんであってもやりたがらない程の高度な技術を要するとのことで、現在は依頼出来る人がほとんどいないのが現状とのことです。

ちなみにDariさんは某アトリエに依頼したとのことなんですが、たまたま仕事の関係で制作した方と知り合いでして 笑

その方の作る帽子も知っているのもあり、非常にクオリティが高いのも納得です。

リボンは「グログランテープ」が使用されるのが一般的ですが、こちらのハットにはアメリカ製の「モロコシテープ」を採用。

違いはというと、グログランテープは端が山なりになっているのに対し、モロコシテープは画像のとおり、端がフラットになっています。

より繊細かつ光沢があるのが特徴で、昔のシルクハットやボーラーハットなど、ドレス色の強いハットに採用されていたリボンなんです。

あとリボンの上にボタンのようなものが付いていますが、こちらはウインドキャッチャーと呼ばれるもの。

風でハットが遠くに飛ばされない様にジャケットのフラワーホール等に通して使うもので、ヴィンテージの昔のハットにはよく見られる装飾品です。

最近のハットにはほとんど付いていないですが、同ブランドらしいクラシックへの敬意が見られます。

頭回りが59cmとやや男性寄りのサイズですが、後頭部スベリの内側をめくるとサイズ調整テープが隠れていて、こちらで2.5cm程度サイズを小さくすることが可能です。

性別問わずや頭の形や大きさに幅広く対応する仕様ですので、ご自身の頭のサイズ・髪形などに合わせてご利用ください。

素材の珍しさ、完成に至るクオリティの高さ。非常にシンプルなハットではありますが、他ではなかなか手に入れられない唯一無二の存在感を放つハット。

もちろん皆さんに向けておすすめ！という感じですが、帽子好き、ハット好きにこそ手に取って感じて頂きたい。そんな帽子かなと思っています。

Dari（ダリ）

2009年にデザイナー有馬大輔(Arima Daisuke)がスタートした日本の帽子ブランド。

『正統でアバンギャルド』一見矛盾する要素を統一させる世界観。
シンプルでありながらもどこか癖のある、さりげないディテールにこだわった帽子を生み出しています。